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ニュルンベルク裁判

2003年10・11月公演 ニュルンベルク裁判

ニュルンベルク裁判

公演日程・劇場

兵庫公演

2003年10月31日[金]~11月2日[日] 新神戸オリエンタル劇場

2003年11月6日[木]~11月9日[日] 宝塚バウホール

東京公演

2003年11月20日[木]~11月28日[金] 紀伊國屋サザンシアター

あらすじ

1948年、ニュルンベルク。

合衆国ノース・キャロライナ州の判事であるダン・ヘイウッド(中嶋しゅう)がタッド・パーカー大佐(木下浩之)の執務室を訪れる。
一週間後から始まる第二次ニュルンベルク裁判の裁判長として臨むためである。
そこでは元法務大臣エルンスト・ヤニング(鈴木瑞穂)の戦争協力犯罪を審議することになっていた。

二年前の第一次裁判ではルドルフ・ヘス副総統、ヘルマン・ゲーリング元帥以下ナチ高官22名の審理が行われ、死刑、12名。終身刑、7名。無罪、3名。
として結審されていた。
それに引き続き、間接的にナチの政策に関わった人々の戦争犯罪を追及する法廷が開かれようとしていたのだ。

だが、ヘイウッドは今回の大役を自分では力不足だと考えていた。
勿論、裁判官としては30年以上のキャリアをもつベテラン判事ではあったが、合衆国の田舎裁判官に過ぎない自分が戦争犯罪を裁く立場になったことへの戸惑いや、国際法に基づく裁判の前例が世界的にもまだ充分ではない状態での公判への不安などが重くのしかかっていたのだ。
ましてや被告ヤニングは元法務大臣であり、世界的にも高名な裁判官でもあった。

法廷では冒頭から首席検事パーカー大佐と弁護人ロルフ(今井朋彦)との間で、ヤニングの責任について激しい論争が闘わされる。
被告には充分判断能力もあり戦争荷担責任を追及できると主張する大佐に対して、ロルフは責任は個人ではなく国家にその責めを求めるべきだと応酬する。
被告ヤニングによって有罪にされた冤罪の犠牲者が何人も召喚され、その証言によってやがて明かにされるその戦争責任。

やがて、判決の日は近づく。
世界中が固唾を飲んで見守るなか、ヘイウッドはどのような判決を下すのか?また、それを待つヤニングの胸中に去来するものは…?

キャスト

中嶋しゅう  なかじましゅう
鈴木瑞穂  すずきみずほ
木下浩之  きのしたひろゆき
今井朋彦  いまいともひこ

作家・演出家プロフィール

ABBY MANN  アビー・マン:作

アメリカのベテラン脚本家。
これまでに数々の脚本賞を受賞している。
本作『ニュルンベルク裁判』も自身が脚本を書いた同名映画の舞台化で、映画はアカデミー脚本賞を受賞している。
舞台版では1995年のゴールデン・グローブ賞を受賞した。

鵜山仁  うやまひとし:演出

奈良県出身。慶應義塾大学フランス文学科卒業。文学座座員。
1982年文学座アトリエ公演『プラハ1975』で初演出。
83年から一年半文化庁在外研修員としてパリに留学。
主な演出作品は『夢の島イニシュマーン』『牛乳屋テヴィエ物語』『人間合格』『連鎖街のひとびと』『コペンハーゲン』『兄おとうと』『Just Business~商談』など。
ひょうご舞台芸術では『陽ざかりの女たち』(第16回)『おばかさんの夕食会』(第18回)『青春・最終章』(第22回)『プルーフ/証明』(第23回)『ペギーからお電話!?』(第24回)『ロンサム・ウェスト』(第25回)を手掛ける。
1988年芸術選奨文部大臣新人賞、1999年千田是也賞、2002年紀伊國屋演劇賞個人賞を『ペギーからお電話!?』で受賞。

出演者プロフィール

中嶋しゅう  なかじましゅう:ヘイウッド

中嶋しゅう  なかじましゅう:ヘイウッド 東京都出身。
劇団NLTを退団後、コットン・クラブプロデュース公演の演出を手掛けるほか、役者として舞台、映画、テレビと幅広く活動。
主な舞台はひょうご舞台芸術『GHETTO/ゲットー』(第9回)『陽ざかりの女たち』(第16回)、シアター21『言葉』、キャスター・ウェストエンド・シアター『エイミィズ・ヴュー』(第3回)、『阿国』『国定忠治』『欲望という名の電車』『美女で野獣』『丘の上のイェッペ』など。
ほかには映画『影武者』『乱』『夢』『まぁだだよ』『To end all wars』(ハリウッド作品)、テレビ『武田信玄』『八代将軍 吉宗』などがある。

鈴木瑞穂  すずきみずほ:ヤニング

鈴木瑞穂  すずきみずほ:ヤニング 旧満州出身。
劇団民芸を経て、現在舞台、映画、テレビと幅広く活動。
主な舞台は『思い出のチェーホフ』『NINAGAWAマクベス』『恋愛論』『夜の来訪者』『橙色の嘘』『子午線の祀り』『こわれがめ』『ワーニャおじさん』など。
ほかには映画『戦争と人間』『金環食』『里見八犬伝』『敦煌』『福沢諭吉』、テレビ『角筈にて』『八代将軍 吉宗』『憲法はまだか』『葵・徳川三代』などがある。

木下浩之  きのしたひろゆき:パーカー

木下浩之  きのしたひろゆき:パーカー 埼玉県出身。演劇集団円会員。
これまで舞台、テレビを中心に活動。
主な舞台は『リア王』『人間嫌い』『冬物語』『今日子』『ベニスの商人』『リチャード三世』『リング・リング・リング』『幕末純情伝』『飛龍伝』『七色インコ』『東亜悲恋』『フォーティンブラス』など。
ほかにはテレビ『また逢う日』『かけおち通り』『うらぎり』『夢暦・長崎奉行』『徳川慶喜』『葵 徳川三代』『真珠夫人』などがある。

今井朋彦  いまいともひこ:ロルフ

今井朋彦  いまいともひこ:ロルフ 東京都出身。文学座座員。
これまで舞台、テレビを中心に活動。
主な舞台は『マイ チルドレン! マイ アフリカ!』『月がとっても蒼いから』『アマデウス』『ルル』『夢の島イニシュマーン』『小さき神のつくりし子ら』『こわれがめ』『コペンハーゲン』『エレファントマン』『ゴロブリョフ家の人々』など。
ほかにはテレビ『HR』などがある。
1996年紀伊國屋演劇賞個人賞、2001年第9回読売演劇大賞優秀男優賞受賞。

「ひょうご舞台芸術」とは

兵庫県では、自ら創造し、県民とともに創造する「パブリックシアター」をめざして、 西宮市に「兵庫県立芸術文化センター(仮称)」の整備を推進しています。
平成14年10月には建設に着工し、平成17年秋の開館に向けて現在本格的な準備を進めているところです。
芸術文化センターでは、開館に先がけて、音楽・演劇・バレエ・アジア太平洋芸術など 多彩な舞台芸術公演(ソフト先行事業)を展開しています。
そのうちのひとつ「ひょうご舞台芸術」は演劇を中心に、質の高い舞台芸術作品を独自に企画、制作、上演する シリーズで、平成14年度までの約10年間に26作品・700公演を実施しています。
近年は、海外の優れた演劇を翻訳し、いち早く日本で上演することを活動の中心としており、 読売演劇大賞、毎日芸術賞、紀伊國屋演劇賞など数々の受賞歴があります。

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