Top > Back Number

曲がり角の向こうには

2004年5月公演 曲がり角の向こうには

曲がり角の向こうには

公演日程・劇場

兵庫公演

2004年5月6日[木]~14日[金] 新神戸オリエンタル劇場

東京公演

2004年5月22日[土]~30日[日] 紀伊國屋ホール

あらすじ

ある秋の夜、イヴ(剣 幸)とダン(磯部 勉)の二人がディナーの用意をしている。

待ち人をしながらとりとめのない会話をしているのだが、その様子から二人の過去にどうやら男女の関係があったらしいことがうかがえる。
イヴの子供たちのことや、互いの伴侶のことなど、それぞれが抱える日常の不満や悩みなどを話しているうちに、二人がそれぞれ後戻りのできない地点まで来てしまっていることに気づく。

そうこうするうちにイヴの夫トム(山路和弘)とダンの妻ジェーン(富沢亜古)が現れる。
彼ら四人は、互いの友人で突然行方不明になっていた夫婦ハリー(石田圭祐)とヘニー(高田聖子)を囲んでのディナーを準備していたのだ。
というのも行方不明になる直前に彼らの家が全焼し、四人はなんとか援助をしたいと思っていた矢先に二人が姿をくらましてしまったので心配していたのだ。
どうやら二人は半年ほど傷心旅行に出ていたらしい。

やがて二人が登場する。
口々に慰めや問いかけを発する四人に対して、二人は意外な事を口にする。
旅行に出ていたと思われた半年間、二人は保険金で高級ホテルに滞在し、一歩も外出しないで誰とも会わない生活を送っていたというのだ。
四人は理由を尋ねるのだが、二人は「ただ、価値観が変わったから」としか答えない。

四人は当惑するのだが、やがて反発したり共感したり、それぞれがそれぞれの価値観をぶつけながら激しい議論となる。
それを静かに見守るハリーとヘニーの二人。
空白の半年間に二人に何があったのか?友人だった六人のこころの溝は埋められるのか?二人の「僕らはもう戻らない」という言葉の意味するものは?

オーストラリアの女流作家が描く、現代人が抱えるこころの闇と多様な価値観をユーモラスに描いたスタイリッシュプレイ、本邦初演です。

(原題)RAPTURE=狂喜、忘我、恍惚、陶然=気持ちよく酔う様子。(そこから)心をひきつけられて、うっとりとするさま

キャスト

剣幸  つるぎみゆき
磯部勉  いそべつとむ
富沢亜古  とみざわあこ
山路和弘  やまじかずひろ
高田聖子  たかだしょうこ
石田圭祐  いしだけいすけ

作家・演出家プロフィール

JOANNA MURRAY-SMITH  ジョアンナ・マレー=スミス:作

オーストラリアの劇作家、小説家。
メルボルン大学在学中より戯曲を書き始める。
1990年に『アトランタ』がメルボルンのプレイボックスシアターによって上演されて以来同劇団の中心作家となり、以後次々と作品を発表。
代表作に『オナー』(1995年)があり、オーストラリアではヴィクトリア州首相文学賞に輝いたほか、わが国でも2002年には演劇集団円、文学座が相次いで上演し話題となった。
本作『RAPTURE』は2002年にオーストラリアで初演された彼女の最新作である。
ほかには映画やテレビの脚本、児童文学も手がけ、小説『Judgement Rock』はオーストラリア国内ではベストセラーとなった。

鵜山仁  うやまひとし:演出

奈良県出身。文学座座員。
1982年、文学座アトリエの会『プラハ1975』で初演出。
以降劇団以外でもス トレートプレイからミュージカル、オペラまで幅広く演出。
主な舞台にひょうご舞台 芸術『陽ざかりの女たち』(第16回)『おばかさんの夕食会』(第18回)『青春 ・最終章』(第22回)『プルーフ/証明』(第23回)『ペギーからお電話!?』 (第24回)『ロンサム・ウェスト』(第25回)、『ニュルンベルク裁判』(第28回)、『コペンハーゲン』『兄おとうと』『just business-商談-』『紙屋町さくらホテル』などがある。
本年、読売演劇大賞最優秀演出家賞ならびに大賞を受賞。

出演者プロフィール

剣幸  つるぎみゆき:イヴ

剣幸  つるぎみゆき:イヴ 富山県出身。1974年、宝塚歌劇団に入団。
85年から90年の退団まで月組のトップスターとして『南太平洋』『ミー・アンド・マイ・ガール』などに主演。
退団後は舞台、映画、テレビと幅広く活動。
ひょうご舞台芸術には『陽ざかりの女たち』(第16回)に出演。
主な舞台に『ドアをあけると…』『蜘蛛の巣』『ヴェニスの商人』『グッバイガール』『サド侯爵夫人』『リア王』『声』『シラノ・ド・ベルジュラック』『スヌーピー!!! ザ・ミュージカル』『國語元年』『兄おとうと』などがある。
98年から自身をフィーチャーしたシリーズ『うた会』の上演を続けている。
他には映画『海の夢、都会の虚』主演、テレビ『柳橋慕情』『五辯の椿』など。
1993年、菊田一夫演劇賞受賞。

磯部勉  いそべつとむ:ダン

磯部勉  いそべつとむ:ダン 東京都出身。
劇団俳優座を経て、現在舞台、映画、テレビと幅広く活動。
ひょうご舞台芸術には『ロンサム・ウェスト』(第25回)に出演。
主な舞台に『お気に召すまま』『セツアンの善人』『ハーベイ』『夜の来訪者』『ヘッダ・ガブラー』『ロミオとジュリエット』『ハムレット』『夏の夜の夢』『クレオパトラ』『デュエットのあとに』『細雪』『功名が辻』『樋口一葉』などがある。
他には映画『動天』『誘惑者』『極道の妻たち』『誘拐』『許されざる者たち』『母のいる場所』、テレビ『葵 徳川三代』『武蔵』『こころ』『渡る世間は鬼ばかり』など。
ほかにハリソン・フォード、メル・ギブソンの吹き替えも持ち役にしている。

富沢亜古  とみざわあこ:ジェーン

富沢亜古  とみざわあこ:ジェーン 東京都出身。文学座座員。
これまで舞台、映画を中心に活動。
主な舞台に『家族の気分』(キャスター・ウエストエンド・シアター第2回公演)、『花咲くチェリー』『沢氏の二人娘』『女の一生』『青ひげと最後の花嫁』『ベルナルダアルバの家』『かもめ』『近松女敵討』『イサドラ』『雨が空から降れば』『令嬢ジュリー』『愛の賛歌』『地獄のオルフェ』『マディソン郡の橋』『崩れた石垣、のぼる鮭たち』『顔』『ホームバディ/カブール』『バラード』などがある。
他には映画『写楽』『瀬戸内ムーンライトセレナーデ』『三文役者』『夜の哀しみ』など。
第7回読売演劇大賞優秀女優賞受賞。

山路和弘  やまじかずひろ:トム

山路和弘  やまじかずひろ:トム 三重県出身。青年座座員。
これまで舞台、映画、テレビと幅広く活動。
主な舞台に『ブンナよ木からおりてこい』『三文オペラ』『東海道四谷怪談』『盟三五大切』『カルメン』『美しきものの伝説』『月食』『美女と野獣』『太陽が死んだ日』『狸御殿』『阿呆劇 ファルスタッフ』『ビギン・ザ・ビギン』『ファンタスティックス』『涙の谷、銀河の河』『世阿彌』などがある。
他には映画『TATOOあり』『人間椅子』『狗神』『突入せよ!「浅間山荘」事件』、テレビ『恋人よ』『新宿鮫・毒猿』『眠れる森』『氷の世界』など。

高田聖子  たかだしょうこ:ヘニー

高田聖子  たかだしょうこ:ヘニー 奈良県出身。
1987年『阿修羅城の瞳』より劇団☆新感線に参加、以降看板女優として活躍。
劇団以外でも舞台、映画、テレビと幅広く活動。
1995年からは自身がプロデュースする舞台「月影十番勝負」も手掛け、昨年の『ダブルアルバム』で第八回公演を迎えた。
劇団以外の主な舞台に『野田秀樹の国姓爺合戦』『やっぱりあなたが一番いいわ』『春まるだし』『29歳の女たち』などがある。
他には映画『燃えよピンポン~OLドラゴン危機一髪』『15才~学校 IV』、テレビ『やんちゃくれ』『OUT』『ビューティ・セブン』『ナースマン』『オヤジ探偵』『OL銭道』などがある。

石田圭祐  いしだけいすけ:ハリー

石田圭祐  いしだけいすけ:ハリー 神奈川県出身。文学座座員。
これまでに舞台を中心に活動。
主な舞台にひょうご舞台芸術『獅子を飼う』(第1回)『エヴァ、帰りのない旅』(第14回)『二十世紀』(第20回)、『クローサー』『言葉 アイヒマンを捕らえた男』『リア』『愛と偶然の戯れ』『リア王』『連鎖街のひとびと』『音二郎 イン ニューヨーク』『泣き虫なまいき石川啄木』『夢の裂け目』『櫻の園』『浮標(ブイ)』『黄昏』『Just Business-商談-』『夢の泪』『世阿彌』など。
ほかには映画『黒い雨』など。

「ひょうご舞台芸術」とは

兵庫県では、自ら創造し、県民とともに創造する「パブリックシアター」をめざして、西宮市に「兵庫県立芸術文化センター」の整備を推進しています。
平成14年(2002年)10月に着工し、平成17年(2005年)10月の開館に向けて現在本格的な準備を進めているところです。
芸術文化センターでは、開館に先がけて、音楽・演劇・バレエ・アジア太平洋芸術など多彩な舞台芸術公演(ソフト先行事業)を展開しています。
そのうちのひとつ「ひょうご舞台芸術」は演劇を中心に、質の高い舞台芸術作品を独自に企画、制作、上演するシリーズで、平成15年度までの約10年間に28作品・740公演を実施しています。

※当サイトに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。