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Asian Beat Fiction『何日君再来』イツノヒカキミカエル

2007年5月公演 Asian Beat Fiction『何日君再来』イツノヒカキミカエル

何日君再来

協力:アズ クリエーション
制作協力:アール・ユー・ピー
主催:キョードー東京、アイエス

公演日程・劇場

東京公演

2007年5月 4日(金)~ 5月22日(火)  日生劇場

大阪公演

2007年5月25日(金)~ 5月28日(月)  シアタードラマシティ

企画意図

この世には、歌ってはいけない歌、奏でてはいけない歌が存在する。
たとえその歌が人々に愛され、口ずさまれていても、である。あるものは差別を助長し、あるものは特定の人物を攻撃しているため。あるいは、教育上相応しくないとして、放送禁止や発売禁止になっているなど、理由はさまざまであるが。

そして、中国にも、かつて禁じられた歌があった。
それが『何日君再来』である。
もともと映画の挿入歌として作られたこの歌は、第二次世界大戦中に中国で大ヒットしている。しかし、中国当局はこの歌を『中国人の戦意喪失を狙って日本人が意図的にはやらせた「亡国の歌」である』と決めつけ、放送や発売を禁止した。その一方で日本軍は、題名の「君」の文字が蒋介石を指している、つまり「いつ蒋介石は帰ってくるのか」と呼びかける抗日的な歌だとして、やはりこれを禁止した。そして戦争が終わると今度は台湾の国民党政府が、「君」とは「日本軍」であり、国民党政府の圧政に苦しむ台湾人が植民地統治時代を懐かしむ歌であると決めつけ、また禁止された。歌の解釈のみが、次々と歪められていったのだ。

かのテレサ・テン。彼女の生涯における数々の逸話には諸説があるが、平和を愛し、アジア最大の歌手であったことは間違いない。
今回、彼女のこの歌~『何日君再来』~にまつわる物語を、我々はフィクションとしてでっちあげた。
ここに登場する主人公・日向と女スパイのリンは、架空の人物である。日向は歌を愛する一人の日本人プロデューサーであり、リンは中国と台湾という二つの国と、その歴史に翻弄される一人の戦士である。この二人がテレサを日本に“密輸”してくるところからこの物語は始まる。

そしてこの物語はフィクションであるからこそ、当時のアジアの真実、アジアから見た日本、そして人間が生きるために歌や芸術がどれだけ大事なものであるのかを、あぶり出していけるのだと考える。

たとえば現在、米英のカトリック教会では、ジョン・レノンの『イマジン』を歌うことを禁じている。戦意喪失を防ぎ、緊張感の解放を防ぐことが目的なのだという。だがそれらは本当に、その歌の作者の心やその歌の存在の意味と関わりがあるのだろうか。
『イマジン』は、これまでに三度その意味を問われたことがある。一度目は1971年、イマジンが発表された時。ベトナム戦争が泥沼化していたこの時期に平和の歌を歌ったジョン・レノンは、FBIにマークされ、アメリカ政府は彼に国外退去命令を出した。二度目はジョン・レノンが死んだ時。いまだにその死の謎は、政府により隠ぺいされたままだ。そして三度目は、2001年…9月11日。アメリカ中が報復攻撃へと沸き立つ中、政府はこの歌を放送することを禁止した。
この歌もまた、「歌ってはいけない歌」として、国や歴史に翻弄されているのである。

人の歴史が刻まれる、その遥か昔から、人は歌を歌ってきた。あるときは、喜びを表すため、ある時は悲しみを癒すため、そしてある時は、戦いに向かう己を鼓舞するために…。人はその時、自由だったはずだ。…なのに今は……。

この脚本を書き下ろすのは、日本人と朝鮮人の民族問題をテーマにした青春ドラマ『パッチギ!』で2005年の映画賞を多数受賞した羽原大介。また本年は大ヒットした『フラガール』で多数の映画賞を受賞。そして日本アカデミー賞では、最優秀脚本賞を受賞した。また『フラガール』は米アカデミー賞外国語映画賞部門にも日本代表として出品される。
そして演出には『東亜悲恋』『あずみ』『エビ大王』などエンターテイメントから問題作まで幅広く多彩な作品を発表し続ける岡村俊一
出演には『ミス・サイゴン』のエンジニア、『エビ大王』の主演で鮮烈な印象を残した筧利夫と、舞台『あずみ』で演劇界を驚かせ、その美貌と実力が芸能界の若手NO.1として邁進中の黒木メイサが、満を持して登場する。

ものがたり

日向英一郎
筧 利夫・・・レコード会社の音楽プロデューサー。
(リン)
黒木メイサ・・・日向と共にテレサで中国を救おうとする女。
アキラ
藤原一裕・・・歌手志望の在日華僑三世。中華料理屋を営む。
美華
石川梨華/ 吉澤ひとみ・・・アキラの店で働くウェイトレス。(ダブルキャスト)
テレサ
en-Ray(エ ン レ イ)・・・アジアの希望を担う歌声の少女。
(ソン)
遠山俊也・・・北京新報社の民主化を望む記者。
(リュウ)
山本 亨・・・台湾マフィアのボス。
青空のぞみ
彩輝なお・・・先輩歌手。隠しているが実は在日韓国人。

あらすじ

日本人音楽プロデューサー・日向(筧利夫)と中国のスパイ・リン(黒木メイサ)が出逢った、類い希なる歌声を持つ台湾人の少女・テレサは、台湾の「対中秘密兵器」だった。
そんな大胆な発想を元にフィクションとして書き上げられた舞台『何日君再来』。
テレサをアジアのスターに育て、「歌で平和のために戦いたい」という日向と、その熱い思いに夢を託すリンとテレサ。 テレサを奪うべく追ってくる台湾マフィアと中国公安部をかわしながらも、三人はやがてコンサートを行うべく、民主化運動に燃える学生たちと中国人民解放軍が一触即発状態となった北京へと向かう。
そこで三人を待ち受けていたものは?!
名曲の数々とアクション・シーンを満載し、アジアの過去と現在をスペクタクルに描く。

出演者プロフィール

筧 利夫 (かけい としお)

筧 利夫 (かけい としお) 静岡県生まれ。大阪芸術大学在学中、劇団☆新感線に参加。
卒業後、85年劇団第三舞台入団。『天使は瞳を閉じて』『朝日のような夕日をつれて』など、同劇団の看板俳優として絶大な人気を集める。
‘90年~‘94年のつかこうへい作・演出『飛龍伝』の山崎一平役では鮮烈な印象を残す。以降『つかこうへいダブルス』、ミュージカル『ミスサイゴン』、Team ARAGOTO Vol.1『エビ大王』などの舞台、映画『踊る大捜査線THE MOVIE』、『容疑者室井慎次』、TVドラマ『Dr.コトー診療所』など、多彩なフィールドで活躍。 主演映画『22才の別れ-Lycoris葉見ず花見ず物語』(大林宣彦監督)がゴールデンウィーク、『キャプテン』(室賀厚監督)が8月公開になる。

黒木メイサ (くろき めいさ)

黒木メイサ (くろき めいさ) 沖縄県出身。18歳。04年つかこうへい氏と出会い舞台『熱海殺人事件・平壌から来た女刑事』の主役で鮮烈なデビュー。 05年には帝国劇場『Endless SHOCK』でヒロインをつとめ、05年、06年の『あずみ』(明治座)では主役の『あずみ』を演じ、その美貌と切れのいい殺陣、その切なさで観客の涙を誘った。
また映画では『ただ、君を愛してる』(新城毅彦監督)、『大帝の剣』(堤幸彦監督・07年4月公開)、テレビドラマでは『白虎隊』、『拝啓、父上様』などに出演。CMでは『資生堂TSUBAKI』『アサヒ飲料コラーゲンWATER』などに出演するなど、各界から熱い注目を注がれている女優である。

藤原一裕 (ふじわら かずひろ)

藤原一裕 (ふじわら かずひろ) 奈良県出身。‘96年高校時代の同級生、井本貴史とお笑いコンビ『ライセンス』を結成。
‘99年の『第29回NHK上方漫才コンテスト』の優秀賞を受賞。
2006年のM-1グランプリでは敗者復活戦から勝ち残り決勝に進出した。現在はルミネtheよしもとの舞台を中心に活動。毎月第3土曜日に『LICENSE vol.ENJOY!!~2007~』を開催中。その他映画『ジョゼと虎と魚たち』『DEATH NOTE~the Last name』『パイルドライバー』などに出演。
‘07年2月からコンビ名を『ザ・ちゃらんぽらん』に改名した。

石川梨華 (いしかわ りか)

石川梨華 (いしかわ りか) 神奈川県出身。2000年に、「モーニング娘。第3回追加オーディション」にて「モーニング娘。4期メンバー」として合格。
ハロー!プロジェクト内で数々のユニットに参加し、「タンポポ」、「美勇伝」ではリーダーを務める。
2005年に「モーニング娘。」を卒業して以降も、「DEF.DIVA」、「美勇伝」の一員として活躍しながら、舞台『リボンの騎士ザ・ミュージカル』、映画『スケバン刑事コードネーム=麻宮サキ』などに出演。
『I』、『華美』、『Oui,mon amour』など、写真集も多い。

辻希美 (つじ のぞみ)

辻希美 (つじ のぞみ) 東京都出身。2000年の「モーニング娘。第3回追加オーディション」で石川梨華らとともに「モーニング娘。4期メンバー」として合格。
テレビ、ラジオ、コンサート、ミュージカルなどで活動。また同年にはユニット「ミニモニ。」としても活動を始め、大人気となる。
2004年ユニット「W(ダブルユー)」を結成し、モーニング娘。から卒業。単独で数々のバラエティ番組で活躍する他、写真集『のんの19』なども出版している。

山本 亨 (やまもと あきら)

山本 亨 (やまもと あきら) 滋賀県出身。‘79年ジャパンアクションクラブ入団。スタントマンとして活躍する傍ら、「なよたけ」など坂東玉三郎演出の舞台に出演。’90年つかこうへい氏と出会い「幕末純情伝」で岡田以蔵役に抜擢され話題を呼ぶ。 以後「飛龍伝」「銀ちゃんが逝く」「蒲田行進曲」などの多数のつか作品で活躍。
また近年は「蜘蛛女のキス」「エンジェルス・イン・アメリカ」「黒蜥蜴」などのtpt作品を中心に、椿組「20世紀少年少女唱歌隊」劇団新感線「髑髏城の七人」阿佐ヶ谷スパイダース「桜飛沫」など舞台俳優として多彩な活動を続ける。
映画ではSABU監督の「MONDAY」「ポストマンブルース」などに出演。

彩輝なお (あやき なお)

彩輝なお (あやき なお) 神奈川県出身。‘90年花組公演『ベルサイユのばら』で初舞台を踏む。
‘04年月組トップスターに就任。2005年5月宝塚退団。サヨナラ公演の
「エリザベート~愛と死の輪舞~」では黄泉の帝王トートを演じ、天性の美貌と綿密な演技力で新しいファンを獲得した。宝塚時代の作品としてほかには「WEST SIDE STORY」「ベルサイユのバラ2001」「熱帯夜話」など多数。また退団後もブロードウェイミュージカル「プロデューサーズ」、朗読劇「LOVE LETTERS」「白蛇伝~White Lovers~」など幅広いジャンルの舞台やテレビ、CMで活躍中。

作家・演出家プロフィール

脚本:羽原大介(はばら だいすけ)

2006年公開の大ヒット映画『フラガール』で賞レースを快進撃中で、日本アカデミー賞では、最優秀脚本賞を受賞
『パッチギ!』での2005年の日本アカデミー賞優秀脚本賞の受賞に続いての2年連続受賞は初の快挙。また「フラガール」は第79回米アカデミー賞外国語映画賞部門に日本代表として出品された。『パッチギ!』の続編『パッチギ! LOVE&PEACE』が2007年5月公開予定。

演出:岡村俊一(おかむら しゅんいち)

演出家・プロデューサー。『広島に原爆を落とす日』、『蒲田行進曲』、『SAY YOU KIDS』、『つかこうへいダブルス』、『歩兵の本領』等話題作をプロデュース。同時に演出家としても活躍し、『怪談・にせ皿屋敷』、『新・幕末純情伝』、『二万七千光年の旅』、日韓合作舞台劇『東亜悲恋』、『透明人間の蒸気』、『フォーティンブラス』、『あずみ』、『エビ大王』等多彩な作品を発表。

スタッフ

舞台美術
加藤ちか
照明
松林克明
音響
山本能久
音楽
からさき昌一
衣装
宮本宣子
舞台監督
原田讓二
宣伝美術
東 学
プロデュース
前田三郎/伊藤正善
協力
アズ クリエーション
制作協力
アール・ユー・ピー
主催
キョードー東京
 
アイエス

公演概要

Asian beat fiction
『何日君再来』イツノヒカキミカエル

東京公演

会場:日生劇場
日程: 2007年5月4日(金・祝)~5月22日(火)全20ステージ

2007.5
開演
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金・祝
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土・祝
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13:00          
14:00              
17:30            
18:30         

2007.5
開演
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17:30            
18:30          

大阪公演

会場:シアタードラマシティ
日程: 2007年5月25日(金)~5月28日(月)全6ステージ

2007.5
開演
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28
13:00  
14:00      
17:30    
18:30     

石川 梨華(計15公演)
石川 梨華(代役 計4公演)
吉澤ひとみ(計7公演)

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