つかこうへい七回忌特別公演 新作未発表戯曲「引退屋リリー」

はじめに

春の、つかこうへい紀伊國屋公演は、もうかれこれ40年近く続く東京の新宿の風物詩である。

そして来年は、2010年に亡くなった演劇界の巨星つかこうへいの七回忌にあたる。

例年、「熱海殺人事件」や「初級革命講座飛龍伝」「いつも心に太陽を」等、つかこうへいの名作を上演し続けてきた春の紀伊國屋公演。

2016年は、七回忌を期に、未発表新作「引退屋リリー」を上演することに決定した。

本作は、1989年パルコ劇場の幕末純情伝の上演時に「予告編」として存在を明らかにされたが、何度も改訂を加えながらも、一度も正式に上演されることは無かった。

今回は、当時の文献と聞き書きされた構想を重ね合わせ、未発表新作として上演することに決定した。

ここに1枚のチラシがある。平成3年にパルコ劇場で上演する予定だった「引退屋リリィ」のオーディションのチラシだ。

当時、つかこうへいのプロデューサーだった岡村俊一はこう語る「何年もオーディションを繰り返して、壮大なイメージにたどり着ける衝動を与えてくれる役者さんと出会えなかったんでしょうね…」

構想3年かけて練り上げた企画を「やれるヤツがいない」という理由で中止したというのも、演劇界の巨星つかこうへいらしいエピソードである。

偽物の美空ひばりがマッカーサーの子を身ごもり、生まれた娘が、母親に復讐するという荒唐無稽なストーリーではあったがそれをミステリーにすり替えることで、なにが真実で、なにが作り事なのか解らなくなっていく展開にハラハラさせられる物語である。

今回、25年ぶりに古いメモ書きや、口だての録音、そして当時、そのイメージで書き下ろした小説などを繋ぎあわせて復刻版の新作として上演する。

「横書きならリリィがいいが、縦書きならリリーだな」と故人が話していた事に習い、未発表新作戯曲「引退屋リリー」として25年ぶりに、そのベールを脱ぐ

つかこうへいが昭和最大の謎に挑むミステリー巨編「引退屋リリー」にご期待下さい。

出演

登場人物

二階堂 …

リリーを追う刑事。初めこそリリーを殺人犯として逮捕しようとするが、次第にその不思議な魅力に心惹かれ、行動を共にするようになる。

リリー …

父親の自殺に付き合った過去を持つ女。その不思議な魅力を村川に見出され、映画スターとしての道を歩み始める。

マコト …

リリーの幼なじみ。リリーを慕い、常に側にくっついているが、何もできず、リリーにも周りにも疎まれている。

村川 …

リリーを見出した映画監督。リリーをひばりお嬢の生まれ変わりにしたてあげようとする。その裏では国家の要人とつながりを持ち、そのプロパガンダを請け負っている。犬島に隠された秘密を知る数少ない人間である。

宗介 …

何百年もの昔、大君の葬儀の際に無礼を働いた罪で、人に非ずと言われて島に流された、犬使いたちの長。島の秘密を守ることを使命とする。

猪熊 …

犬島の近辺を縄張りとする新興ヤクザ。犬島の秘密に気づき、それを我がものにしようと企んでいる。

犬使い …

宗介の手下。代々、島に住んでいる者もいれば、行き場を失い、島に逃れてきた者もいる。目をつけた人間につきまとってはスキャンダルのネタを見つけ出し、ゆすり、たかり、引退に追い込む引退屋を営む。

あらすじ

二階堂の前に新たな犯人が現れた。
女の名はリリー。

犬島の火口に立つリリーは助けを求める父親を見捨て、火口へと落ちていった。
「あの人は私の父親なんかじゃありません。」

二階堂は、自殺に付き添ったリリーを厳しく追及する。
「これがあんたの殺人じゃないとしたら…スター誕生ということになりますな」

村川のもとで、映画の撮影に勤しむリリー。スタジオには、リリーについて回っているマコト、村川に使われている犬使いたちと、リリーを監視する二階堂の姿もある。

リリーの過去を見出そうとする二階堂。

だがそこに、猪熊が手下を率いて現れる。犬使いたちが町に出入りしていることに難癖をつけ、撮影を邪魔しようとする猪熊たち。見かねた二階堂は猪熊たちを追い払うが、猪熊がリリーに言い残した言葉に耳を止める。
「利用されとるとも知らんで、かわいそうにな」
二階堂は村川を問い詰めるが、ヤクザの戯言だと一蹴される。

リリーは、島守人のために自分が「偽物のひばり」となりスターになることを決意する。自分が地位を得れば、島守人たちを今の立場から解放できる。

二階堂とリリーは、犬島の火口に向かった。そこには、猪熊たちが待ち構えていた。島を守ろうと、次々に死んでいく島守人たち。だが、数で勝る猪熊たちには敵わず、島は制圧されてしまう。

猪熊たちは島の中心にある社へと向かう。そこは、だれも足を踏み入れてはならないとされた禁忌の地であった。

はたして、事件の結末はいかに…。

公演概要

作：

つかこうへい

演出：

岡村俊一

出演：

馬場 徹

祐真キキ

宮崎秋人

町田慎吾

鈴木裕樹

吉田智則

山崎銀之丞

※開場は開演の30分前　※未就学児童入場不可

チケットぴあ

発売日初日特電　0570－02－9922 （10：00～23：30）
翌日以降　0570－02－9999（Pコード：448－697）
全国のチケットぴあ店舗、セブン－イレブン、サークルKサンクス店内端末（直接購入可能）
http://pia.jp/t

ローソンチケット

発売日初日特電　0570－084－635（10：00～23：30）
翌日以降　0570－000－407（オペレーター対応10：00～20：00）
0570－084－003（Lコード：36691）
ローソン、ミニストップ店内端末Loppi　（直接購入可能）
http://l-tike.com

イープラス

http://eplus.jp

東京音協online

http://t-onkyo.co.jp　（発売日以降座席選択可能）

キノチケットカウンター

窓口販売のみ　新宿東口紀伊國屋書店5F (10：00～18：30)

キノチケオンライン

https://www.kinokuniya.co.jp

提携：紀伊國屋書店
制作：つかこうへい事務所
企画製作：アール・ユー・ピー

【引退屋リリー】公演に関するお知らせ

■上演時間について

約2時間（休憩なし）を予定しております。

■開場時間について

開演の30分前からの開場となります。

■当日券について

各公演、開演の１時間前より当日券窓口にて販売致します。
指定席及び18歳以下割チケ（＊18歳以下割チケは対象日のみ）

■当日引換券について

チケットぴあにて、2月16日（火）0：00～各公演の前日23：59迄販売致します。
対象公演はチケットぴあホームページにてご確認ください。
当日引換券をご購入のお客様は、開演の1時間前より「当日券窓口」にてお引換を行います。

■チケットについて

チケットの紛失・盗難など場合、東京音協03−5774−3030（平日11:00～17:00）までご連絡ください。
※チケット日時に関してのご注意事項
複数回ご観劇頂くお客様は、別公演のチケットを間違ってお持ちになりませんよう、劇場にお越しの際は再度チケット日時をご確認の上お越し下さいませ。

■ご来場される際のお願い

会場周辺では通行の妨げや近隣の方のご迷惑とならないようご配慮をお願いします。
また公演開始前または公演終了後の劇場周辺での滞在はご遠慮ください。
尚、施設への立入、楽屋入口での出演者の入待ち・出待ちの行為は堅くお断りいたします。
上記のマナーをお守りいただけない場合、やむなく公演を中断することや退場していただくこともございます。皆様のご協力をお願い申し上げます。

■その他

★ 車椅子でお越しになるお客様は、係員がお席までご案内いたしますので事前に東京音協03−5774−3030（平日11:00～17:00）まで必ずご連絡をください。付き添いの方がご観劇される場合はチケットが必要となります。
★開演時間に遅れて場合は係員の指示に従って、客席内にお入りください。客席にすぐご案内出来ない時間帯がございます。予めご了承ください。

■スタンド・アレンジ花について

誠に勝手ながら「スタンド花・アレンジメント花・鉢物など」は公演関係者様からのみとさせていただきます。
また宅急便などでお送りいただきましたものも、お断りさせていただきます。
どうぞご理解のほど宜しくお願い申しあげます。

《お花を送られる場合》
お花をお送りいただく際は、【2月18日(木)午前中着】 にて、ご手配をお願いいたします。
※必ず、以下日程での引取り回収が可能なお花屋さんにてお願いいたします。
＜回収日時は2月26日(金)16:00 ～17:00となります。＞

■出演者へのプレゼントについて

出演者へのお手紙、プレゼントは「プレゼント預かり所」にてお預かりいたします。
当日のお渡しとは限りませんので予めご了承ください。
また、生ものや手作りの飲食物はお預かり出来ませんので、予めご了承下さい。

■お問い合わせ

東京音協03−5774−3030（平日11:00～17:00）