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月影番外地 『物語が、始まる』

2008年4・5月公演 月影番外地『物語が、始まる』

月影番外地『物語が、始まる』
原作:川上弘美(中央公論新社刊)
脚本:千葉雅子
演出:木野 花
出演:高田聖子、加藤 啓、辻 修
高田聖子の見られていい日記
http://ameblo.jp/shoko-takada-blog/

公演日程・劇場

日程:2008年4月23日(水)~5月4日(日・祝)
劇場:赤坂RED/THEATER

「月影十番勝負」について

「月影十番勝負」は、劇団新感線の看板女優高田聖子が、エンターテイメント満載の劇団公演とは違い、劇団ではできない新しい試みに挑戦しようと‘95年のから始めたユニットで、毎回才能豊かな作家、演出家、役者とタッグを組んで1年に1本のペースで公演を行なってきました。
そして、昨年2007年の第十番『約束』をもって惜しまれながら終了・・・する予定でした。ところが、十番を終えた直後から、「ぜひ、再び!」の声に応え、『月影番外地』として復活することとなりました。

これまで、劇団公演ではその能力をフルに全開してきた歌と踊りに封印し、
リアルな女性の姿を、時には純真無垢な少女から女への成長を、時にはしたたかな悪女を、また恋する悲しい女を演じてきました。
そして今回の舞台「物語が、始まる」。芥川賞作家川上弘美の作品です。

物語は、
女が、ある日公園で男の子の雛形を拾ったところから始まります。
男の子は日々成長し、たちまち人間の少年の、青年のように喋り動き考え、感じるようになり、それにつれ雛形と女との関係も微妙に変化し、女は恋人との関係も変わってくる・・・そんな不思議でかなり切ない恋物語です。

脚本には、劇団「猫のホテル」の主宰で脚本家、演出家また俳優として脂ののりきっている千葉雅子。そして演出には繊細でありながら骨太な演出で評価の高いベテランの木野花を迎えます。
また共演には劇団『拙者ムニエル』の加藤啓、劇団『動物電気』の辻 修という若手の個性ある実力者が顔をそろえました。
ここに結集した演劇世界のくせ者たちが、川上弘美の文学世界をどう料理してみせるのか、ぜひご期待ください。

コメント

始動した「月影番外地」
強力なスタッフ、キャストに恵まれて、いよいよ稽古が始まります。
皆様から、それぞれ個性的なコメントを頂戴しました!

高田聖子/山田ゆき子 役

みなさんこんにちは、百恵ちゃんになれなかった高田聖子です…
最終公演でキレイに幕を引いたつもりが、百恵様のようにマイクを置いていけませんでした…
のんびりゆっくりやってきた10公演は、終わってみると、想像以上に光り輝く宝物でした。
宝物もっとほしいなぁ~
というわけで、さらなる宝探しを始める事にしました!
川上弘美さんのファンで、あの世界観を舞台で漂わせたいな~と、ダメもとで舞台化を申し込んだところ、こころよく了解してくださいました。
うれしいプレッシャーに包まれながらの『物語が始まる』です!
脚本は、今一番信用できる小劇場界の友、千葉雅子女史!
演出は、月影先生こと、公私ともに師匠です。木野花女史!
共演は、大好きなユニット“モッカモッカ”の加藤啓、辻修両氏!
いい意味で、原作のイメージを裏切ってくれると今から組むのが楽しみです。
そしてスタッフは、月影十番勝負から続投いたします!
もう怖いものは何もない…です!

ご意見、ご感想はアンケートにおねがいします。では劇場でお待ちしております。

「勝負はこれから」 木野花/演出

 とうとう始まりましたね。“月影番外地”十番勝負を終えた時、ようやく終わったという達成感と同時に、高田聖子はこれからどこへ行くのかという期待と、これからいよいよ面白くなるのではないかという予感がありました。そして、そう思ったのは私だけではなかったようです。予感をカタチにするべく、プロジェクトが動き出し、御覧のようなチラシが出来てきました。
原作川上弘美!脚本千葉雅子!共演加藤啓 辻修!この顔合わせを私が演出するんですか?これは面白くなると、手離しで喜んでばかりもいられない。
はたしてどうなるのだろうという予測不可能な眩暈が・・・。千葉さんの作品を演出できるんだろうか、川上さんの小説を舞台にのせるなんて無謀な挑戦ではなかろうかという不安を抱きながら。だからこそやってみたいという好奇心もムラムラ沸いて、きっとこのハラハラドキドキは幕が開くまで続くのでしょう。“月影番外地”勝負はまだまだ終わりませんね!

「月影番外地、始動ですぞ!」 千葉雅子/脚本

十年の歳月のなかで、絶やすことなく作品を世に送り出し続けた月影十番勝負。
その熱く硬い結束のチーム月影に、最後の最後で参加できて私は嬉しかった。
ほんとにほんとの楽日、カーテンコールで映像として流れた過去十年間の舞台写真の数々。見ていてずっしりと達成感が胸にじーんときた。十番目の参加者にも、その十年の軌跡は胸にせまるものがあった。
勝負は終わった。
そう、なにごとにも始まりがあり、終わりがある。
でも、なかには復活という事もある。
リターンズ、○○再び、帰って来た○○・・・。
いえいえ、月影は番外地と題して新たな活動を開始するのだ。
そして、その一番目に書き手として参加することになった。
川上弘美さんの珠玉の恋愛小説を芝居にする。
なんという魅惑の番外地なんだろう。その予測のつかなさと言ったら。
川上弘美さんの世界を、木野花さんが演出し、高田聖子さんが演ずる。
この方程式のなかに入り込む脚本担当の私。
ならべてみよう。
川上弘美+木野花+千葉雅子+高田聖子
あらら。綺麗な漢字がたくさんならんでいる。
共演の男性陣も加えてみよう。
川上弘美+木野花+千葉雅子+高田聖子+加藤啓+辻修
あららら。綺麗ななかにストイックさがあらわれたような。
チーム月影のほんの一部をならべてみただけでもいいかんじ。
そんなチーム月影が踏み出す、まっさらな番外地に生々しい足跡をつけたい。
脚本担当の私は、ひたすらそう思うのである。
書くぞ書くぞ。

加藤 啓/本城 役

すげー楽しみです! 川上弘美さん原作。三人芝居。千葉雅子さん&木野花さん。月影復活。辻修。物語が始まる。そして高田聖子さん。どうなるんだこりゃな不思議な気配。久しぶりに稽古が待ち遠しいす。
興味持ったかたは是非、おいでよー!

辻 修/三郎 役

原作を読み返し改めて、女性の複雑さを考えさせられましたね。私自身複雑な恋愛観がないので、楽しみです。役柄についてはすべての年齢層を演じるつもりなので、期待してもらいたいです。

スタッフプロフィール

原作=川上弘美(かわかみ ひろみ)

‘96年「蛇を踏む」で芥川賞を受賞し、以後紫式部文学賞、女流文学賞など多数の文学賞を受賞し、『光ってみえるもの、あれは』『ニシノユキヒコの恋と冒険』『真鶴』など次々と話題作を発表し続ける。ベストセラー小説「センセイの鞄」は映画化もされた。また芥川賞を初め、三島由紀夫賞、谷崎潤一郎賞など数々の文学賞の選考委員も務めている。

脚本=千葉雅子(ちば まさこ)

‘90年に猫のホテルを結成。劇団猫のホテル代表。脚本、演出、俳優。個性あふれる俳優を多数輩出し、メンバーたちは千葉を含め、近年テレビ、映画、舞台にとひっぱりだこである。また脚本家としては骨太な筆致で、『バカ哀しい人間を肯定的に描き』こちらもさまざまなジャンルで活躍中である。
また2005年河原雅彦らと劇団「身も心も」を結成、2006年月影十番勝負の最終章第十番『約yakusoku束』では脚本と出演を担い、高い評価を受けた。

演出=木野花(きの はな)

‘74女性だけの劇団「青い鳥」を結成、劇団退団後、多数の映画、テレビ、舞台に出演、また演出家としても精力的に活動中。
最近の出演作品は、映画「嫌われ松子の一生」「明日の記憶」、ドラマ「浅草ふくまる旅館」、舞台「調教師」「しあわせのつぼ」「りぼん」「真夏の夜の夢」(演出)など。「月影十番勝負」には「僕の美しい人だから」「ダブルアルバム」「猫と庄造と二人の女」の演出、「世にも素敵なネバーエンディングストーリー」「約yakusoku束」の出演があり、本ユニットのブレーン的存在でもある。

キャストプロフィール

高田聖子(たかだ しょうこ)

‘87年「阿修羅城の瞳」より劇団☆新感線に参加。以来、歌って踊ってギャグまでこなす劇団の看板女優として活躍。1998年連続テレビ小説「やんちゃくれ」でヒロインの姉役を好演し、以後舞台のみならず、ドラマや映画、ラジオ、CFにと出演作多数。‘07年はInouekabuki Shochiku-mix「朧の森に棲む鬼」、劇団新感線「犬顔家の一族の陰謀」、真心一座 身も心も第2章「ザ・グレートハンティング」などに出演。

加藤 啓(かとうけい)

‘94年、劇団「拙者ムニエル」の旗揚げに参加。以降全作品に重要な役割で出演。劇団公演以外にも、「阿佐ヶ谷スパイダース」「猫のホテル」「宇宙レコード」など、他劇団、カンパニーへの出演も多い。また’06「動物電気」の辻修とコントユニット『モッカモッカ』を結成、’08年2月に第3回目のコントライブ「I WANT YOU I WANT YOU」を予定している。主な舞台に「ウィー・トーマス」、「劇団、本谷有希子」など。

辻 修(つじ おさむ)

‘93年劇団「動物電気」の旗揚げと共に参加。やせぎすの身体から繰り出す狂気の笑いと、一方孤独の影も色濃く感じさせる異色の存在。劇団公演以外にも多数のプロデュース公演にも出演。テレビドラマ、映画、CMなどでも活躍中。主な舞台に猫のホテル「土色の恋情」、劇団、本谷有希子「無理矢理」など。

あらすじ

「三郎、私に恋をしてはだめよ。」

「なぜ」

「簡単すぎるじゃないの」

粗大ゴミの日、私は公園の砂場で男の雛形を拾った。

大きさ1メートルほど、顔、手、足、性器などすべて揃っている。

大人でも子供でもない中途半端な顔つきの雛形を「三郎」と名付けた。

私との生活の中で急速に成長してゆく三郎。

バグだらけの日本語変換ソフトのような、ちぐはぐな私の恋人…本城さん。


そして私、「山田ゆき子」

なんだか変で、かなり切ない三人の、物語が始まる。

月影十番勝負  これまでの軌跡

1995年7月 第壱番「ねぇ!キスしてよ」
作:中島かずき  演出:堤 泰之
於:新宿シアタートップス、扇町ミュージアムスクエア
出演:高田聖子、広岡由里子、犬山犬子、武田義晴
1996年6月 第弐番「月の輝く夜に」
作:中島かずき  演出・出演:入江雅人
於:新宿シアタートップス、扇町ミュージアムスクエア
出演:高田聖子、長野里美、菊地美紀
1997年5月第参番「河童」
作:中島かずき  演出:ラサール石井
於:新宿シアタートップス、扇町ミュージアムスクエア
出演:高田聖子、川原和久、三宅弘城、山本カナコ、新納敏正
1998年7月 第四番「唇からナイフ」
作:中島かずき  演出:鈴木裕美
於:紀伊国屋ホール、近鉄小劇場
出演:高田聖子、長野里美、六角精児、久松信美、大倉孝二、加納幸和
1999年5月 第五番「僕の美しい人だから」
作:中島かずき  演出:木野 花
於:青山円形劇場、近鉄アート館
出演:高田聖子、池田成志、田中哲司
2001年9月 第六番「世にも素敵なネバーエンディングストーリー」
作:演出・出演:河原雅彦
於:青山円形劇場、近鉄小劇場
出演:高田聖子、木野 花、竹田団吾、岸潤一郎
2002年9月 第七番「愛の嵐」
作:河原雅彦  演出・出演:池田成志
於:青山円形劇場、MIDシアター
出演:高田聖子、佐藤アツヒロ、前田昌代
2003年11月 第八番「ダブルアルバム」
作:永井愛  演出:木野花
於:スペース・ゼロ、MIDシアター
出演:高田聖子、内田春菊、大森博史
2005年4月第九番「猫と庄造と二人のおんな」
作:谷崎潤一郎 脚本:内田春菊 演出:木野花
於:青山円形劇場
出演:高田聖子、土屋久美子、中谷さとみ、利重剛
2006年3月 第10番「約yakusoku束」
作:千葉雅子 演出:池田成志
於:スペース・ゼロ 松下IPMホール
出演:高田聖子、千葉雅子、伊勢志摩、池谷のぶえ、池田成志、加藤啓、木野花

公演概要

月影番外地 『物語が、始まる』

会場:赤坂RED/THEATER
日程: 2008年4月23日(水)~5月4日(日・祝)

4月
開演
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火・祝
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土・祝
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日・祝
13:00              
18:00              
19:00          
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